なぜシンデレラは騙される?経済学と経営学から読み解く噓つきの戦略
「外からくる何か」が、自分の人生を変えてくれるのを待ち続けている状態を「シンデレラコンプレックス」と呼びます。
おとぎ話のシンデレラは王子様という「外からくる何か」によって幸せになりますが、現実はそう甘くはありません。
むしろ「外からくる何か」は、あなたから何かを奪い去っていくことの方が多いでしょう。
今回は、経済学と経営学の観点から、なぜ人が騙されてしまうのかを解説します。
そして、嘘つきな人の戦略と、それに対抗するためのヒントを紹介します。
目次
なぜシンデレラは騙されるのか?
シンデレラが持つ特徴は、騙されやすい人の特徴とも共通しています。
- 純粋さと善良さ: 純粋で心の優しい人は、他人の悪意や嘘を見抜くことが難しい場合があります。
- 孤独と孤立: 孤独な状況では、誰かに優しくされると、その人を簡単に信じてしまう可能性があります。
- 変化への願望: 辛い状況から抜け出し、幸せになりたいという強い願望は、自分を助けてくれるように見える人物を簡単に信じてしまう原因となります。
嘘つきな人の戦略:経済学と経営学から読み解く
では、嘘つきな人はどのような戦略で私たちを騙そうとするのでしょうか。
経済学と経営学の観点から、4つの戦略を解説します。
1.情報の非対称性:騙す側の有利な状況
経済学では、情報を持つ側と持たない側の間に生じる格差を「情報の非対称性」と呼びます。
嘘つきな人は、この情報格差を巧みに利用します。
相手が知らない情報を隠し、都合の良い情報だけを提示することで、相手を騙そうとします。
例えば、中古車販売では、売り手は車の状態について多くの情報を持っていますが、買い手はそれを全て把握することはできません。
売り手は、この情報格差を利用して、車の欠陥を隠したり、過剰に良い点をアピールしたりする可能性があります。
2.信頼の構築:人は信じたい生き物
経営学では、「信頼」は組織や人間関係を円滑に進める上で重要な要素とされています。
人は、基本的に他人を信じたいという心理を持っています。
嘘つきな人は、この心理を利用し、言葉巧みに信頼関係を築き、相手を騙そうとします。
詐欺師は、最初は親切に接したり、親身になって相談に乗ったりすることで、相手からの信頼を得ようとします。
そして、信頼を得た後に、巧妙な嘘で相手を騙すのです。
3.限定合理性:人は完璧な判断ができない
人は、常に合理的な判断ができるわけではありません。
時間や情報、能力などの制約がある中で、最適な判断を下すことは困難です。
この人間の特性を、経済学では「限定合理性」と呼びます。
嘘つきな人は、この限定合理性を利用し、相手が冷静な判断を下せない状況を作り出し、騙そうとします。
訪問販売では、セールスマンは、期間限定の割引や特典などを提示し、消費者が冷静に考える時間を与えず、その場で契約を迫ることがあります。
4.ヒューリスティクス:人は近道思考をする
人は、複雑な問題を解決する際、経験則や直感に基づいたシンプルな方法で判断を下すことがあります。
これを「ヒューリスティクス」と呼びます。
嘘つきな人は、このヒューリスティクスを利用し、相手を騙そうとします。
例えば、「権威のある人が言っているから正しいはずだ」という権威への盲従や、「多くの人が買っているから良い商品に違いない」という多数派への同調などは、ヒューリスティクスの代表的な例です。
嘘つきな人は、これらの心理を利用して、虚偽の情報や商品を信じ込ませようとします。
まとめ:騙されないために
嘘つきな人に騙されないためには、以下の点に注意しましょう。
- 情報源を多角的に確認する: 一つの情報に頼らず、複数の情報源から情報を収集し、比較検討しましょう。
- 信頼できる相手かどうかを見極める: 相手の言動や実績などを確認し、信頼できる相手かどうかを見極めましょう。
- 冷静に判断する: 感情に流されず、時間をかけて冷静に判断しましょう。
- 専門家の意見を参考にする: 専門知識が必要な場合は、専門家の意見を参考にしましょう。
これらの対策を講じることで、嘘つきな人に騙されるリスクを軽減することができます。
この記事が、あなたにとって騙されないためのヒントになれば幸いです。
シンデレラのように、外からの救いを待つのではなく、自分自身で人生を切り開く強さを持ちましょう。
おまけ
以前、私が住んでいたマンションの郵便ポストには、投資用マンションのチラシが頻繁に投函されていました。
おんぼろマンションに住む私には到底手が出せる金額ではありませんでしたが、あまりにも多くの似たようなチラシが入っていたので、同じマンションの誰かが購入しているのかもしれません。
ここで疑問が湧きます。
なぜ不動産会社は、私のような一般庶民に、儲かる投資をわざわざチラシまで配って勧めてくるのでしょうか?
考えられる理由は2つあります。
1つ目は、不動産会社は実は非営利団体で、自分たちで購入すれば儲かる物件を、私のようなおんぼろマンションに住む人に慈善活動として紹介してくれている。
2つ目は、不動産会社は、自分では絶対に買わない不利な物件を素人に売却して、利益を上げようとしている。
どちらが真実かは定かではありませんが、不動産会社の担当者は、私よりも裕福そうに見えました。
投稿者プロフィール
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株式会社生活経営サポート DXIT経営支援事業部 事業部長
年齢: 1997年生まれ
所属団体: 大阪府中小企業診断士協会
経歴
エンジニアを経て、現在は税理士事務所でIT・経営・会計を担当。
IT業界では大規模システム運用やウイルス対応などの経験があります。
保有資格
中小企業診断士|応用情報技術者|簿記2級|統計検定2級|LPIC-303|Oracle Silver|CCNA|Python認定基礎試験
専門分野
経営支援、ITと会計のビジネス支援
目標
「自由と楽しさを実現する新しいITコンサルティング」を理念に掲げ、未経験の方でも分かりやすくITや金融・経営の情報を発信しています。
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