『背伸び競争』は失敗の元?初心者でも分かるゲーム理論~協力と共存の大切さ~

「ゲーム理論」「囚人のジレンマ」… 

なんだか難しそうな言葉ですよね?

でも、実はこれらの概念は、ビジネスシーンだけでなく、私たちの日常生活にも深く関わっています。 

今回は、経営者の方にもわかりやすく、身近な例を交えながら解説していきます。

ゲーム理論ってなんだろう?

ゲーム理論とは、複数のプレイヤーがそれぞれの利益を追求する中で、どのような行動を選択するかを分析する理論です。

ビジネスにおける競争戦略や交渉、さらには日常生活における人間関係や意思決定にも応用できます。

囚人のジレンマ:協力か、裏切りか

ゲーム理論の中でも特に有名なのが、「囚人のジレンマ」です。

これは、お互いに協力した方が良い結果になることが分かっているのに、自分の利益を優先すると、結局お互いに損をしてしまうというジレンマを表しています。

日常生活での囚人のジレンマ

例1:近所付き合い

ゴミ出しのルールを守らなかったり、騒音を立てたりする人がいると、近所全体が迷惑します。

  • みんながルールを守れば、快適な環境で暮らせます。
  • しかし、自分だけルールを破ると、自分は楽できますが、他の人は迷惑します。
  • もし、みんながルールを破れば、近所全体が住みにくい環境になってしまいます。

これが囚人のジレンマです。

例2:樹海の木の背比べ

樹海に生えている木々は、みんな高く高く伸びようとしています。

少しでも多くの日光を浴びたいからです。

でも、周りの木も同じように高く伸びるので、結局、日光を浴びられる量はあまり変わりません。

それどころか、高く伸びるために必要な栄養が増えて、木全体の生存が難しくなってしまうことも。

もし、最初からみんながほどほどの高さで満足していたら、無駄な競争もなく、もっと楽に生きられたかもしれないのに…

これも囚人のジレンマの一例です。

現代社会に通ずるものがありますね。

経営における囚人のジレンマ

ビジネスシーンでも、囚人のジレンマは頻繁に起こります。

例1:価格競争

ライバル企業との価格競争では、

  • どちらも価格を維持すれば、適正な利益を確保できます。
  • しかし、一方だけが値下げをすると、その企業は一時的に顧客を獲得できますが、もう一方の企業は顧客を失います。
  • もし、どちらも値下げを続けると、両社とも利益が減ってしまいます。

これはまさに囚人のジレンマです。

例2:広告合戦

広告宣伝費についても同様です。

  • どちらも適度な広告費に抑えれば、無駄なコストを削減できます。
  • しかし、一方だけが大々的に広告を打つと、その企業は市場シェアを拡大できますが、もう一方の企業はシェアを失います。
  • もし、どちらも広告費をつぎ込むと、両社とも利益が圧迫されてしまいます。

これも囚人のジレンマの典型的な例です。

囚人のジレンマを乗り越えるには?

囚人のジレンマを乗り越え、協力関係を築くためには、

  • コミュニケーション: お互いの考えや立場を理解し、信頼関係を築くことが重要です。
  • 長期的な視点: 目先の利益にとらわれず、長期的な関係性を重視しましょう。
  • インセンティブの設計: 協力した方が得になるような仕組みを作りましょう。
  • 第三者機関の活用: 公平な立場の第三者機関がルールを監視することで、協力関係を促進できます。

まとめ:ゲーム理論と囚人のジレンマを経営に活かす

ゲーム理論と囚人のジレンマは、一見複雑そうですが、実は私たちの身近なところに存在しています。

これらの概念を理解することで、

  • 競合との関係
  • 取引先との交渉
  • 社内の人間関係

など、様々な場面でより良い意思決定ができるようになるでしょう。

ぜひ、ゲーム理論の視点を持ち、ビジネスを成功に導いてください!

投稿者プロフィール

今一茂実
今一茂実中小企業診断士・応用情報技術者・8個資格保有
株式会社生活経営サポート  DXIT経営支援事業部 事業部長

年齢: 1997年生まれ
所属団体: 大阪府中小企業診断士協会

経歴
エンジニアを経て、現在は税理士事務所でIT・経営・会計を担当。
IT業界では大規模システム運用やウイルス対応などの経験があります。

保有資格
中小企業診断士|応用情報技術者|簿記2級|統計検定2級|LPIC-303|Oracle Silver|CCNA|Python認定基礎試験

専門分野
経営支援、ITと会計のビジネス支援

目標
「自由と楽しさを実現する新しいITコンサルティング」を理念に掲げ、未経験の方でも分かりやすくITや金融・経営の情報を発信しています。